大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京地方裁判所 平成12年(ワ)9970号 判決

原告

【A】

原告

【B】

原告

【C】

右三名訴訟代理人弁護士

原口健

野中信敬

久保田理子

土井智雄

設楽公晴

被告

ジー・エッグプロモーションこと【D】

主文

一  被告は、別紙「CD目録」記載のコンパクトディスクを増製し、販売し又は頒布してはならない。

二  被告は、別紙「CD目録」記載のコンパクトディスクを廃棄せよ。

三  被告は、原告らに対し、別紙「楽曲目録」記載の楽曲に関する原盤を引き渡せ。

四  被告は、原告らに対し、金一〇〇万円及びこれに対する平成一二年六月二五日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

五  原告らのその余の請求を棄却する。

六  訴訟費用は、これを二分し、その一を被告の負担とし、その余を原告らの負担とする。

事実及び理由

一  原告らの請求

1  主文第一項ないし第三項と同旨

2  被告は、原告【B】に対し金三〇〇万円、同【A】に対し金二〇〇万円、同【C】に対し金二〇〇万円及びこれらに対する平成一一年七月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

3  被告は、原告らに対し、金三三七万四五〇〇円及びこれに対する平成一二年六月二五日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

4  訴訟費用は、被告の負担とする。

二  原告らは、別紙「請求の原因」記載のとおり、請求の原因を述べた。

被告は、適式の呼出を受けながら、本件口頭弁論期日に出頭しない。したがって、被告において、原告らが主張した請求原因事実を争うことを明らかにしないものと認め、これを自白したものとみなす。

三1  右の事実によれば、原告らの請求は、主文第一項ないし第三項と同旨の裁判を求める部分について、いずれも理由がある。

2  前記一2の請求については、複製権及び録音権の侵害を理由とする慰謝料請求であるところ、複製権及び録音権は、財産上の権利であって、特別の事情のない限り、その侵害によって財産的損害のほかに精神的損害が生じたと認めることはできないものであって、原告らが主張した請求原因事実によっても、原告らに精神的損害が生じたと認めるに足りる特別の事情があるということはできないから、原告らの右請求部分は、理由がない。

3  前記一3の請求のうち、仮処分命令申立て及びその強制執行のための費用三七万四五〇〇円の損害賠償を求める部分については、これらの費用は、いずれも仮処分(執行官保管)の執行のために必要な費用であると認められ、最終的には主文第二項の本執行費用の一部として被告が負担すべきものであって(民事執行法四二条一項)、その取立てについては、民事執行法四二条四項、二二条四号の二所定の手続により行われるべきものであるから、右の費用を別途被告の不法行為によって生じた財産的損害として賠償請求することはできない。したがって、原告らの右請求部分は、理由がない。

4  前記一3の請求のうち、弁護士費用三〇〇万円の損害賠償を求める部分については、当庁平成一一年(ヨ)第二二一〇三号仮処分命令申立事件及び本件訴訟における原告らの請求の内容及び審理の経緯等に照らせば、原告らが被告に対しその不法行為と相当因果関係のある損害として賠償請求し得る弁護士費用は、金一〇〇万円と認めるのが相当であるから、原告らの右請求部分は、右の限度で理由がある。

四  よって、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 三村量一 裁判官 村越啓悦 裁判官 中吉徹郎)

〈以下省略〉

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例